刺青/Irezumi
第七回/7th session
English follows after Japanese
前回結構埋まったので今回も楽しみだ。
背中を見て、
「あー、蛇入れようか。地獄になんか蛇みたいなのいるでしょう」
「はい!」
フリーハンドで蛇を描いていく。左端の尻にもいく、うん痛そうだ。 右側に移る、細かいストロークを感じるので針山や炎を足しているのであろう。 ん?ちょっと行き過ぎじゃない?そこ本当に彫るのという所までペンが進んだ、ケツの割れ目だ。 当然この時点で脇汗タラーだ。
「今回下絵無いから写真撮ってあげようか」
「はい!」
「じゃあ寝て下さい」
うう、痛い。背骨の上が何とも言えず痛い。 但し、ここまでは想像可能な範囲の痛さだ。
「誰か恨んでる人いる?」
「?」
「閻魔帳に書くんだよ、人間生きてりゃ誰だって殺したい人の一人や二人は居るんだから。名前を梵字にして、さらにその梵字を分からないように崩しちゃうから誰も読めない。刺青はそういう遊びもないとね」
「そうですね、色入れまでに考えときます!(よっしゃ、あいつやな)」
右下に降り、とうとう割れ目にたどり着く。 (うぎゃーーーー!!) 心の中で大絶叫し、ケツを全力で締める、というより勝手に締まる。 当然先生にとっては迷惑極まりない、だけど完全にケツの割れ目というよりケツの穴に入れられている感触だ。刺青を入れたことがない人はケツの穴をカッターで切られることを想像してくれ。(自分で言ってて嫌になってきた。。) 左側の割れ目にも進んだ所で、もんどりうちながら終了。 これまだもう一回やらなあかんのか。。。
「次で背中最後だね」
「そうですか!」
「前は入れるの?」
「はい!」
「何入れたいの?」
「まだ決められてないです。。何か他の人が余り入れてない図柄って有りますか?」
「うーん、全部地獄にしたっていう人は居ないね。今は360度撮れるカメラが有るから、全部地獄で一枚の絵として見たら凄いだろうね。まあ入れる時までにゆっくり考えて」
とうとう背中が完了する。
帰りの電車の中で痛みの対価を確認すべく、先生に撮って頂いた写真をみる。 うぉ、すごい。蛇が厳ついし、右側の割れ目もヤッパリびっしり入っている。 蛇はベロと思っていたら、人が喰われていた!
写真を見入ってしまい、直ぐに自分の駅に辿り着いた。
Date
Dec 08, 2012