刺青/Irezumi

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第九回/9th session

English follows after Japanese

コンコン! 「はーい!」 「失礼します」

何かおかしい、やけに静かだ。 「あれーxxさん、今日は11時からじゃなかった?連絡がないから今日はもう来ないかと思ったよ」

サーッ。。やってしまった。一時間間違えたのだ。 「すみません!!」 「いや、僕が書くの間違えちゃったかも、じゃあ直ぐやっちゃいましょう」

僕が間違えたに決まっているのに、この気遣い、感激しました。と共に、二度と間違いません。

「胸割りにするんだっけ、ドンブリだっけ?」 「ドンブリにします!」 「うん、その方が格好いいね」

ずっと入れるなら胸割りと思ってきたのだが、僕の場合胸割りだと隙間が凄く狭くなることから、ドンブリにする事にした。胸割りは格好いいのだが、胸割りの構図しか取れずドンブリに延ばす時に無理矢理感が絶対に出る。最終的に延ばすなら最初からドンブリにした方が構図は絶対に良い、とポジティブ変換する事にした。

「今日は後ろのお客さんが来ちゃうから短い時間しか出来ないけど、仏の世界にするから。地獄に仏って言うでしょ、全部が地獄だとあれだからね、少しは救いを残しておかないと」

腕と胸、こんなに痛かったっけ? 背中で受けた痛みに比べるとマシなんだが、若気の至りが効かない今を痛感する。

終わった後、 「次は火の車入れようか」 「はい!」

楽しみにしていた図柄だ。前面も地獄にして良かった。

終わりを鏡で見る間もなくスタジオを後にする。後ろのお客様すみませんでした。

今回は半彫りでした。

帰ってから見ると蓮の花等が入っており、ずっと地獄図を見てきていたので余計に綺麗に映った。やっぱりこういうのもいい

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    Feb 09, 2013